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関西母ちゃんのご近所すごいぜ!

親子で歩いていたら、子供に楽しさが伝わっていた

起|関西母ちゃんの実行力

市川さんからかねてより

「原尻さん、関西母ちゃんの動きが素晴らしいんですよ!なんであんなに機動力があるのか、不思議なくらい。Feel℃ Walkの楽しさを母ちゃんたちがわかっていて、子供と一緒に歩いているんですよ!」

「しかもですね、その母ちゃんの一人は福島こずえさんって言って、原尻さんの大学の後輩ですよ。多分、学部も一緒。」

「滋賀の母ちゃんたちも動きと連結感がすごいんですよ!」

と聞いていた。私は、大学・大学院と6年間京都に暮らしていて、なんとなく関西人が持つ軽いノリとフットワークの良さを知っていたけれど、知図講座を通じて、ここまで関西の母ちゃんたちがFeel℃ Walkにどっぷりハマっているとは思ってもみなかった。そこで、We are Generators 「大人の自由研究」で、関西母ちゃんたちの取り組みを紹介させてもらったのである。

その1人、福島こずえさんは、京都の北野天満宮近辺に暮らしている。それこそ平安時代から江戸期までの史跡がひしめいている場所だから、「そりゃあ、探究するには困らない場所だし、歩いていても楽しいわな」という声が聞こえてきそうである。しかし、もう1人、阪脇彩子さんが暮らしている滋賀県守山市はどうだろう。京都や大阪のベットタウン的要素もあり、京都ばりに史跡があるようには思えない。ところが、一歩ご近所に足を踏み出せば、京都だろうが、守山だろうが、不思議の種は同じように、世界が差し出してくれるのだ。それを体感し楽しめるのがFeel℃ Walkであり、何気にお互いの発見を愛で、共有し合うのが「関西母ちゃん連合」の特徴だ。そして、この発見共有の「蜜」が、関西母ちゃんたちの知的好奇心を相乗的に押し上げる秘密のように思える。

承|家族のLINEで「御土居クラブ」

福島こずえの娘さんが通っている中学校の校庭には、応仁の乱で荒れ果てた京都をコンパクトにし、天皇や貴族たち、そして市民を護る、豊臣秀吉がつくった「御土居」が残されている。

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この御土居の内側を「洛中」と呼び、外側を「洛外」と呼んだ。その痕跡を探検しようと家族で盛り上がり、家族LINEには「御土居クラブ」と呼ばれるグループラインができたそうだ。あまりに写真が送られてくるウザさに娘が何度か脱退したというエピソードも面白い。しかし、家族で御土居の足跡を捜査し、知図にまとめ続けるひとときは、親も子もなく、知的探求者の同志として、幸せな時間を持てたに違いない。

転|守山の謎

阪脇彩子さんの探究は「守山には山がない」という長男の発言からだった。中山道の宿場町である守山は、良い水が取れる土地であり、蛍で有名なのだそうだが、歩いてみても山がない。しかし、旧中山道沿いに比叡山東門院という寺を見つけ、そこが比叡「山」を「守」る出張所だったのではないか、という仮説を立てる。あるいは、守山の地名に「森」がつく場所が多く、森が多くあった場所に、近くに近江富士=三上山があり、「森と山がある土地」で「森山」となり、「守山」に漢字表記が変わったのではないか、という仮説も出てきた。

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面白かったのは、参加者のチャットで、「名古屋にも守山があります」とか「葉山にも守山があるんですよね」と言った日本各地の守山が出てきたことで、日本全国の守山比較民俗学が始まりそうな勢いだった。

結|彩子さんの長男くんが探検開始

これはつい最近の出来事なのだけれど、ついに彩子さんの長男くんが一人旅に出た。小学校4年生の男の子で、滋賀県の守山から京都の園部に電車を見に行ったのだ。Facebookの記事では、心配なお母さんの投稿があったが、長男くんは無事に帰宅。カメラでその一人旅の様子が伺えたのだけれど、僕が素晴らしいと思ったのは、長男くんがこんな「知図」を描いたことである。

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彩子さんと守山を歩き、母ちゃんが知図を描いているのを傍でしっかりと見ていたのだろう。そして、自分で発見したものを「偶然記録」として、子供も書き始めたのだ。

長男くんにはぜひ、残りの小学校の時間、「知図」づくり=雑のアーカイブスづくりに当ててほしい。そして、レオナルド・ダ・ヴィンチのようにたくさんの「知図」を知のストックとして、貯蓄してほしいと思う。それをやり続けた時、もしかしたら守山からダ・ヴィンチが誕生するかもしれないのである。

*こちら「大人の自由研究」の映像は、We are Generators!にご参加いただけますと、アーカイブ映像を見ることができます。こちらはジェネレーター仲間が集う、基地になり、他にも学びのイベントが盛り沢山です。