2020年6月20日(土)、面白ゼミと題して、みつかる+わかるの三人の理事(原尻淳一・井庭崇・塚越暁)が気の置けないお父さん仲間を連れてきて「つくる面白さ」や「子育て」について存分に語り合いました。会話の中で、お母さんから見れば、一見おバカで、子どもじみたお父さんの本音が溢れ出てきたのですが、それは僕には「お父さんHACKS!」とも言うべき面白い内容だったので、少しだけコラムにしておこうと思います。
HACK!1:自分が面白いことをする時に巻き込む(誘導しちゃう)
つくるお父さんは、教えるとか、やらせるのではなく、自分が面白いことをする時に子供が関われる「余白」をつくることで、自然と子供が入り込むように環境設定をしているようです。「子供のことを思いすぎて、アンパンマンミュージアムに連れてきても子供がしらけちゃって(笑)」みたいな経験って、お父さんだったら誰もが経験していることかもしれませんね。大人が考えていることと子供の思いにはむしろ「ズレ」がある。だから、子供のことを考えずに、むしろ大人が楽しいことをやっていればいいんだ!お父さんの悟り。僕もそう思います。
HACK!2:「コーヒー牛乳理論(=自分でみつけて体験したことが真に感動する)」
銭湯に行ったら、お父さんは「コーヒー牛乳」を飲ませたいもの。。。
でも、お父さんが「美味しいぞ!」と言って飲ませても、子供は天邪鬼なんで、だめなんですね。ここで逆転の発想。子供に秘密を調べさせる。これ大事です。なぜ、家にお風呂があるのに、銭湯に来るのか?その理由を数人のおじいちゃんたちにインタビューさせちゃう。すると「風呂上りのコーヒー牛乳が最高に旨いから」と言うことを聞けたらシメたもの!自分でやってみた時に体が震えるほど「コーヒー牛乳」が旨く感じる強烈な体験ができるわけですよ。これをここでは「コーヒー牛乳理論」と呼ぶことにしましょうか。つまり、人に言われるのではなく、自分で発見したものにこそ「本当の感動」が潜んでいる。ここにつなげる工夫がコツなんですよ。
HACK!3:子供たちと観察して発見した「行動パターン」に名付ける
ゲストの三浦さんがサッカーのコーチをした時に発見したこと。それは「コーチはサッカーを教えすぎ」ていることでした。説明ばかりだと理解するには時間がかかるし、小学校低学年には本当に厳しい。そこで、自分たちで行動パターンを観察させて、名付けることで、自分たちのものにしていく方法にチェンジしたら、ドンピシャだった!。小学校低学年でも観察、分析してパターンを見出すことができるんですね。大人が名前を授けてはダメですよ!共通認識、共通ルールを子供たちに名付けさせることがモチベーションの源。
HACK!4:大人が本気でやる
ゲストの伊東さんの土器を作る話。この徹底度合いがすごかった!ただ土器を作って焼くだけだとすぐに割れてしまうらしいのです。そこで、こねて、水分を均一にし、3週間くらい水分を抜けて、それをちゃんとやってから焼くと割れない「実際使える土器」ができるそう。適当に作ると十中八九割れる土器もGoogleで徹底的に調べて、つくれば本当に使えるものができる。
伊東さんの名言:「縄文人ができるなら現代人でもできる。」
それを本気で徹底的にやる。大人が本気になれば、子供も本気になる。
HACK!5:ダイソー+Google&Youtube検索=本気で、かつ安くつくる基本
伊東さんの名言:お金に頼ったら「負け」だと思う。
とにかく、ダイソーで安く材料をかき集めて、GoogleとYoutubeで検索して、実験を行う習慣。これがつくることで学ぶ基本です。
HACK!6:鉄を扱えるようになったら大人
鉄からナイフを作るには1200℃まで火をあげなきゃだから、本当に大変。いずれ「たたら場」をやりたい、という伊東さんの最後の名言は「鉄を扱えるようになったら大人です!」でした。
Youtubeで映像検索して、欧米のDIY技術を参考にしながら、ものづくりをする。あらゆるものを作る上で、鉄が扱えるようになるのが最終形。自分でつくるとわかるけれど、ダイソーはすごい。それと「職人さんの技術は本当にすごい」そうです。
HACK!7:お父さんとはナナメの関係
親子の関係は縦関係ではなく、「遊び仲間」としてお父さんとナナメの関係を築くこと。自分の子供だけでなく、周囲の子供たちともたくさんナナメの関係を構築し、友達になること。そのナナメの関係が錯綜することが豊かさにつながるように思える。
HACK!8:実は親の影響は親が思うほど大きくない
川井さんの指摘は斬新でした。「非常に少ない限られた時間の中で子供時代の接触する時間は少ないし、子供同士で影響し合うことの方が大きいのでは?」というめちゃくちゃリアルな意見。だからそこ、親がやりたいことに子供を誘導して、子供のリアクションを観察することが大事なのでは、という川井さんのHACKに共感しまくりです。「今の場所や環境をより楽しくしていく方向に仕向けていくのが親の役目でしょう!」納得です!
HACK!9:ボーッとしないで観察する方向に仕向ける
川井さんは、誰かの工夫や最適化をみつけて、「仕組み」を考える「きっかけ」づくりを意識しているそうです。きっかけを体験させたとしても、子供とのフィードバックはいつ来るかわからないもの。焦らず子供からのフィードバックを待つのが大事です。子供が観察を覚えていて、ある時期に突然その話を自分の言葉でし始めた時が、親として「嬉しさ」を感じる瞬間です。
HACK!10:子供にお膳立てをしすぎるとシラケてしまう
親が全部お膳立てをすると子供はしらけがち。お膳立ての階段をどうデザインするか。そこには子供が自分で関われる余白が必要だと言うことの発言にお父さん一同、共感の嵐!そこを計算に入れながら、子供たちをうまく誘導するといいのかもですね。
結論:つくるお父さんは打率が悪い。でも、空振りを楽しみながら、突き進むのだ!
つくるお父さんはとにかく色々な取り組みや実験を楽しんじゃう人たちなんですね!SNSで記録しているのは実はほんの少しの「成功事例」であって、打率にしたら1割満たないかもしれない。これはお父さん全員の見解でした。要するに、打率は悪くてもめげずに打席に立つ。つまり、実験し続けること。これがつくるお父さんたちの特徴でした。親が子供の興味の呼び水を提供するのは難しいですが、それでも実験し続けちゃうお父さんに懲りずに子供たちが付き合ってくれているのが本当の姿かもしれないです。それでもお父さんは子供の「冒険の地図」を広げていく存在であり続けたいのです!はい。そんなお父さんたちの会話から、いろいろな発見があった2時間でした。
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